
私の著書 「尿の悩みを解決する本」 <教育書籍> (千円) の下書き原稿
手技
泌尿器科の手術の中ではいちばん多い前立腺肥大症の手術の説明をします。手術には二通りの方法があります。
経尿道的前立腺切除術は,前立腺があまり大きくない場合に行われます.図のように,尿道から内視鏡を入れ,付属するループ状の電気メスで前立腺を削り取っていきます。手術時間は一,二時間で、入院は2週間程度の、患者さんにとっては割と楽な手術です。ただし,短時間にあまり出血させずに肥大した内腺をすべて削りきるのは,かなりの熟練を要します.
前立腺が大きくなっている時は、開腹手術をして,腫れた内腺を全部えぐりとります。前立線に到達するルートに図の三種類があります.約1ヵ月の入院が必要となりますが、内腺を完全に切除できるので再発することはほとんどありません。
図に前立腺肥大症で切除するところと,ガンで摘出する範囲との違いを示しました.肥大症では内腺をくりぬくだけなのに対し,ガンでは前立腺をまるごととり,膀胱と尿道をつなぎあわせることになります.
前立腺肥大症の内視鏡手術に用いる装置で,根の浅い表在性の膀胱ガンの手術も行います.
