十日市場から木村泌尿器皮膚科へ
十日市場からは、さつきが丘・貝の坂・綻・瑞雲寺・北部病院入り口です。
2007年には、中山駅からセンター南駅への地下鉄が完成します。

私の著書 「尿の悩みを解決する本」 <教育書籍> (千円) の下書き原稿

知っておきたい医学用語


病理検査と細胞診


 体は,腎臓などの臓器からできていて,その臓器は血管組織や脂肪組織で構成されています.そして最小の単位は,細胞です.
病理検査は取り出した臓器を顕微鏡で調べて診断をつける検査です.それは,医学知識がないとできないので,専門の医師がいて病理診断医と呼ばれています.病理診断医は,臓器だけでなく,尿や痰やおりものの中に剥がれ落ちてくる細胞を顕微鏡でみて,ガン細胞かどうかのの検査をする事もあります.これが細胞診です.これに対し,手術で取った臓器なり,診断のために一部切り取ってきた組織なりを見ることを,組織診と言います.普通,病理検査と言うと,組織診のことを指します.
 そして,その組織診のために患者さんの体から,組織を一部切り取ってくることを生検といいます.死体解剖に対して,生きている人の検査という意味です.
細胞診で診断がつけば,痛い生検は受けなくていいのですが,細胞一個だけみたのでは,わからないことがあります.組織を会社に,細胞を社員に例えるなら,一人の社員の顔つきや服装を見ただけで,この会社はおかしいとわかることもあるでしょう.それが,細胞診陽性で,細胞核が異様に大きいとかでわかります.会社の外でみる,ひとりひとりの社員はまともそうで良い会社かと思っていたのに,ふと部屋の中を覗いてみると,勤務時間なのに働いていているのは課長一人で,平社員は席を離れ,休憩室でワイドショーを見ているということもあるでしょう.細胞核の大きくない正常そうな細胞が,所定位置に一列に並んでいなかったり,本来いるはずのない血管内に入り込んでいたら,これは命令を聞かない細胞ですから,ガン細胞とわかるのです.
 「細胞診では陽性ではないのですが,膀胱ガンがあると困るので,生検をしてみましょう.一週間入院してください.」と言われることがあるかも知れません.これは,剥がれて尿に出てくる一個一個の細胞はおとなしいが,組織を取って見ると,尿のたまる方に一列に並んでいなければならない膀胱上皮細胞が,組織内の勝手なところに行っていてガンと診断がつくことがあるからです.会社から出てきた社員をみていても,どうもよくわからないので,立ち入り検査をしようということなのです.
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