link to Kimura's HP
掲示板へ

私の著書 「尿の悩みを解決する本」 <教育書籍> (千円) の下書き原稿

コラム

 私が医者になったばかりの15年くらい前,ガンの特効薬として開発されていたのがインターフェロンでした.マスコミもこれでガンは直るかのような取扱で,インターフェロン開発中の製薬会社の株が値上がりしていました.各社の開発品が出そろってみると,結局,この特効薬が有効だったのは,腎ガンと皮膚ガンだけでした.
十年前から,腎ガンに使われ始め,三,四割の人で転移が縮むという効果を上げています.これは,ガンの治療法の成績としてはかなり良い方です.
 このインターフェロンがC型肝炎にも有効なことがわかり,五年位前から使われ始めました.肝炎の患者さんは腎ガンの数十倍いますから,インターフェロンが大量に使われるようになったわけです.すると,うつ病による自殺といったいままで見られなかった副作用が明らかになってきて,現在肝炎の患者さんの中でどの人にインターフェロンを使うべきか再検討されています.
この副作用はマスコミでも大きく取り上げられたため,インターフェロンはすっかり人気が落ちてしまい,腎ガンの患者さんに使おうとしても,家族に断わられることがあります.副作用と抗腫瘍効果を天秤にかけると,腎ガンのばあいは,利益のほうがはるかに大きいと思うのですが.
link to Kimura's HP
掲示板へ