私の著書　「尿の悩みを解決する本」 ＜教育書籍＞ （千円）　の下書き原稿

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包茎

亀頭が包皮により被い隠されている

排尿に支障

感染を起こして陰茎の先端が赤く腫れ上がる

　陰茎の亀頭が包皮により被い隠されている状態で、皮かむりなどともいい、高い頻度で見られ、またいろいろな症状を伴います。
　包皮の先端の輪が狭く、亀頭を露出させることができない場合を真性包茎、包皮を反転させることにより亀頭を露出できる場合を仮生包茎といいます。真性包茎で、とくに包皮の出口が非常に狭く排尿に支障をきたす場合は、乳幼児でも手術が必要です。
　亀頭と包皮の間にアカがたまり、そこに感染を起こして陰茎の先端が赤く腫れ上がり、排尿時に痛む（亀頭包皮炎）ような場合にも、幼児期に手術が必要です。仮生包茎でも、包皮の出口の輪が狭い場合は、亀頭を露出したままの状態に放置すると、陰茎の先端がこの輪によって締めつけられ、血液循環が悪くなって、むくんでしまい、元に戻せなること（かんとん包茎）があるので、手術を受けたほうが安心です。
　包皮の出口が狭くなく、ただ普通の状態で亀頭を包皮が被っているだくのものは、手術の必要はありませんが、成人では美容上や性生活の理由により手術する場合もあります。

治療法

　手術法には，背面切開術と環状切除術とがあります．
　包皮の１２時の部位をちょきんと切って開くと，亀頭が出てきます．このままで，出血を止めるために切り口を縫い合わせるだけで終わりにするのが背面切開術です．乳幼児の真性包茎によくやられる手術です．　

　亀頭を被っている余った包皮をリング状に切りとってしまうのが，環状切除術です．大人の美容上の目的でやられる手術はほとんどがこれです．
麻酔は，小児では全身麻酔，大人では局所麻酔でやります．局所麻酔での手術であれば外来で可能ですが，全身麻酔の場合は入院が必要です．中学生ぐらいであれば，局所麻酔で可能なことが多いのですが，個人差があり，小学校高学年の子でも局所麻酔でおとなしくしている子がいるかと思えば．中学３年生でも，手術中泣き出してしまう子もいます．私は，手術前の血液検査の時のその子の様子で判断するようにしています．
　子供の場合，手術に使う糸は抜糸しなくていいように，解ける糸を使います．
　真性包茎は病気ですので，手術や手術後に感染予防に使う抗生剤などの費用に，保険が効きます．背面切開の手術料は7400円，環状切除の手術料は20400円ですので，これに薬や検査，初診料等を加えた値段の，一割ないし三割（加入している保険の種類によって違う）を自己負担することになります．仮性包茎は，病気とは認められていないので，美容整形と同じく，自由診療となり値段は病院が自由に決められます．公立病院の場合，保険決められた手術料しか請求しないのが普通なのに対し，美容整形専門の病院は，十万円程度の価格のところが多いようです．公立病院は，美容整形の手術を扱っていない場合もあります．美容整形専門の病院は，営利目的ですから費用はかさみますが，毎日そればかりやっている医者が執刀しますので，公立病院で普段ガンの手術や内視鏡手術ばかりをやっている医者に手術されるより手術時間は短いでしょうし，きれいに出来上がるかも知れません．抜糸に来なくてよいように解ける糸を使ってもくれます．


手術後の注意

　外来で手術を受けてそのまま帰宅した時は，夜中の出血に注意して下さい．手術直後は止まっていた出血が，夜中，無意識に陰茎が勃起して，再出血することがあります．
　その場合あわてず，出血している所を２，３分強くガーゼで押さえて下さい．それでまず止まります．

緊急時対処法

　包茎で緊急時とは，亀頭を露出したままの状態にしておくと、先がむくんでしまい元に戻せなる，かんとん包茎です．痛くても，むくんだ亀頭をしぼりながら輪の中へ強引に押し戻して下さい．戻せなければ，すぐに病院に行って，背面切開術か環状切除術を緊急に受けることになります．

予防法

　生まれつきですから予防法などはないのですが，赤ん坊のうちからお風呂に入れる度に包皮を反転させる様に，試みていると真性包茎が仮性包茎になったり，あるいは亀頭包皮炎を起こさなくなるくらいに先端が広くなることがあります．ただし亀頭を露出したままの状態に放置すると、先ほど言ったかんとん包茎になってしまいますので必ず，包皮を元どおりかぶせておいて下さい．この役はお父さんのほうがうまいかもしれません．

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