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悪いのは読売?

前立腺がんの早期発見に有効として急速に広がる血液検査「PSA検査」について、厚生労働省研究班(主任研究者・浜島ちさと国立がんセンター室長)は、「現時点で、集団検診として(市町村や職場で)実施することは勧められない」とする初の指針案をまとめた。


9月10日(月)に厚生労働省がん研究助成金による「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班から「前立腺がんの対策型検診は推奨しない」という指針(案)が出されました。これに先立つ9月9日(日)付けの読売新聞朝刊第1面には、この未確定指針(案)が、多くの誤った内容を含んで掲載されました。

日本泌尿器科学会のHPに書いてあります。確かに、9月9日(日)付けの読売新聞朝刊第1面には、

前立腺がん、集団検診推奨せず…厚労省指針案
死亡率の改善不明
 前立腺がんの早期発見に有効として急速に広がる血液検査「PSA検査」について、厚生労働省研究班(主任研究者・浜島ちさと国立がんセンター室長)は、「現時点で、集団検診として(市町村や職場で)実施することは勧められない」とする初の指針案をまとめた。

 検診での早期発見による死亡率の減少効果が不明な上、精密検査などによる合併症などのマイナス面が無視できないためで、今後、PSA検査を集団検診事業として実施している全国7割の市町村は、事業の存廃を含めた対応を迫られそうだ。


という記事が掲載されました。昨日高級イタリアレストランで御馳走してくださった先生も、「班研究の指針案を決定前に1面に載せた読売はけしからん。」とおっしゃっていました。

私はこの記事を書いた人に会っているので、「でもこの件で最初に記事にしたのは9月1日の朝日でそこに情報を流したのは泌尿器科学会ですよね。」と、思わず読売を弁護してしまいました。

前立腺がん 住民検診「勧めらない」 厚労省研究班、指針案に学会反論
がん検診に関する厚生労働省の研究班が、前立腺がん検診のPSA検査について、市町村の住民検診として実施することは勧められない、とするガイドライン案をまとめた。日本泌尿器科学会(理事長=奥山明彦・大阪大教授)が31日、案を明らかにしたうえで、反対する見解を公表した。


横浜市泌尿器科医会の先生方は基本健診から特定健診に変わる来年4月以降もPSA検診が継続できるよう、がんばってくださっているようです。

読売に「前立腺(上)軽い数値異常 様子見る」「前立腺(下)不必要な生検避ける」で私が登場したことが横浜市泌尿器科医会の先生たちに知れ渡る前に「読売は泌尿器科の敵」という図式が消えてほしいのですが。

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