腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。
2022年11月10日から12日までモントリオールでSIU(国際泌尿器学会)が開催されましたが、 その前日11月9日にもいくつかのセッションが開かれ、
中国泌尿器科学会とのコラボ企画が無料配信されています。
SYMP-06: Symposium: Joint SIU / Chinese Urological Association (CUA)
腎(腫瘍)生検:広川医科大学付属第1病院のDr.は出席できないのでビデオでプレゼン。
感受性99.1%、特異性99.7%。
血腫は4.3%、腫瘍の播種はなし。(15分)
二人目はルーマニアの医師がモントリオールでプレゼン。
腎細胞がんはスクリーニング(検診)すべきか。
25%が診断時転移あり。
5年生存は89%:12%。
37%はStage3~4でも無症状。
対象は男性、60歳以上、タバコなどのリスクのある人。
検査方法はUS。
CTは高価だが、肺がんなど他のがんも対象にすれば有意義。
過剰診断・過剰治療が問題。
三人目はインド。
腎部分切除で阻血すべきか。
腎門部のクランプはもろ刃の剣。英語でもdouble edged swordっていうんですね。
阻血時間が30分以内であれば、術後の腎機能に差は出ない。
4人目は中国人だがビデオ上映だけ。
TUR-Btで腫瘍をen bloc(一塊)で切除する方法をERBTと呼ぶみたい。
日本ではTURBO(Transurethral Resection of Bladder Tumor in One-piece)と言っています。
5人目はドイツ人の代用膀胱(Neobladder)の長期成績(35年)。
対象は男性で膀胱がんの再発がなく、放射線も化学療法も行っていない人。
残尿なく排尿できる人は87%(手術時50歳以下は94%)。
ドイツは代用膀胱が41%。
泌尿器科開業医が診断して、症例数の多い大病院に紹介する。
紹介した患者が回腸導管で帰ってきたら、次からそこには紹介しない。
6人目はインド人の結石。
PNLのsmallest(<10Fr),smaller(<16Fr),small(<24Fr)の比較。
細いほうが出血は少ないが、吸引できないので腎盂腎炎を合併しやすい。
7人目は中国からのビデオ上映。
中国では6.4%が結石持ち。再発率が高いので予防が大事。Ca、PTH計測。
食事ではカルシウムは摂取したほうが良い。シュウ酸は控える。
カルシウムを控えると結石再発率が増える。
演者はモントリオールに居ないけど、座長達のコメントで、
患者は食事習慣を変えないので効果が疑問。
患者は原因を知りたがるので、それに答える意味がある。
8人目はカナダ。
1回使い捨ての尿管ファイバー。
結石治療には適しているが、腫瘍の診断には画像が劣る。
レーザー砕石時に破損するので、再利用タイプも無限には使えない。
滅菌中に壊れることもある。
症例数が多いところはリユース、少ない施設はシングルユース。
9人目は中国(録画)。
ESWL開発の復習から、現在のエネルギー源、モニターなどの改良の可能性など。
shock waveよりburst waveのほうが、表面から細かく砕石できる。
10人目は中国(録画)。
80g以上の前立腺肥大症の治療。
開腹手術・腹腔鏡・ロボットという選択肢もある。TUEBはHoLEPより手術時間が長い。
ツリウムLEPは手術時間がホルムニウムLEPより短い(有意差なし)。
残り2つのビデオ(射精可能な切除術・術後尿失禁)は不具合で上映されず。
2023年7月6日