泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。

モントリオール:受賞者発表・経会陰前立腺生検


2022年11月10日から12日までモントリオールでSIU(国際泌尿器学会)が開催されました。

2022年11月11日の全体会議01が無料配信されています。

Plenary 01

2022年SIUの何かの賞を受賞した人2人のプレゼン。

最初は、血液中を流れている前立腺癌腫瘍細胞のDNAを分析する研究。

アンドロゲン・レセプターのDNA変異を同定し、エンザルタミドが効く群を見つける。

二人目は膀胱がんの組織形と予後、治療法の違いの解説。

三人目は受賞者ではないが、ナイジェリアの泌尿器科医のアフリカの泌尿器科疾患の治療の現状。

人口当たりの泌尿器科医はすごく少なく、数の多い手術は尿道損傷。

四人目はインドから結石治療。

Mini-PNL。

通常のPNLは30Frの穴を腎臓に開けるが、Mini-PNLは11Fr。

仰臥位でのPNLの様子のプレゼンも。

五人目は経会陰前立腺生検を行うべき。

経直腸は感染症のリスクが高いから。

1%キシロカインを20mlの局所麻酔すれば、外来で可能。

五人目(アメリカ人)の発表のあと、イギリス人も登壇し、ディスカッション。

経直腸は経会陰と感染の頻度は同じというデータもあるが、とのイギリス人の質問に対し、

経直腸は抗生物質の予防投与がルーチンだからだろうと、アメリカ人が返答。

フロアからの質問も活発。

MRI-TRUS Fusion biopsyはサスティナブルではないとの発言も。

局所麻酔だけで経会陰生検を快適に行うための工夫。

音楽を流して、検査中患者に話しかけつづける、など。

笑気吸入を使わないのか、とのフロアからの質問も。

2023年5月2日