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性欲減退.夕刊フジ,p18,2月15日号,2008.


Uさん(40)は結婚10年目。5歳年下の奥さんとは共働きだ。「マイホームを手にするまでは頑張ろう!」と二人でがむしゃらに働いてきたが、その夢も2年前にようやく果たした。そして、次の夢である子作りにとりかかったUさんを待っていたものは…。
     ◇
 早速新居で子作りに励んだが、なかなか吉報が訪れない。そこで奥さんは婦人科へ。「排卵日に合わせて確実に!」との指導を受ける。以来夫人はカレンダーに印をつけて、この日だけはきっちり役目を果たすようUさんに要請する。
 これを受けたUさんも、そのつもりで当日だけは会社の付き合いも断って準備にかかるのだが、なぜか体が臨戦態勢に入らなくなる。
 「その日」以外は問題なくできるのに、なぜか大切な日だけは使い物にならない。そんなことを繰り返すうちに、Uさんはカレンダーを見てはため息をつくようになっていった。
 「『必ずこの日に!』と決めつけられることで、Uさんに精神的な負荷がかかったことが原因。その日以外、あるいはその日であっても相手を変えればできるなら、間違いなくストレスによる症状です」と語るのは横浜市都筑区にある木村皮膚泌尿器科の木村明院長。
 「今はバイアグラ等の勃起補助薬を使えば、問題はとりあえず解消しますが、昔はそれができなかった。逆に『この日だけはしちゃダメ!』と禁止令を出して、気分を盛り立てる精神療法が行われていた時代もあったほど。奥さんの側にも『しよう、しよう』と迫るばかりではなく、ダメと言われるとしたくなる―という男心を理解してもらう必要がありますね」
 それにしても、「禁止することでしたくさせる」なんて、粋な治療もあるものだ。

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