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「ごきげんカラダス」
フレヴァン都筑版2月号,p23,2008.

 Q.膀胱炎の症状について教えてください。
排尿痛・残尿感・下腹部痛・頻尿・尿混濁などが、膀胱炎の症状です。尿が近くなり,トイレから帰ってきても又すぐ行きたくなったり,尿をしたあともまだ残っている感じ(残尿感)がしたりする症状で始まります.細菌が増殖してくると,排尿時(特に出おわるとき)に痛みがあらわれます.これらの症状があっても病院に行かないで我慢していると,排尿しないときにも,下腹部が痛むようになります.細菌に膀胱粘膜が傷つけられて,目で見て分かるほどの血尿が出ることもあります.血尿は,出始めから出終りまで同じ濃さではなく,膀胱がからっぽになる最後に強くなる,排尿終末時血尿のことが,ほとんどです.
 膀胱炎では熱は出ません.熱があるときは,細菌が腎盂まで登って行って腎盂腎炎を起こしていると思われます.
Q.原因は何ですか?
膀胱炎は、大腸菌などの腸内細菌が尿道をさかのぼって膀胱で増殖して起こる病気です.
 腸内細菌は,大腸・直腸に棲んでいる菌ですので,肛門やその周囲には必ずいます.女性の場合は、肛門からまず腟に細菌が棲みつき、そこから、尿道、膀胱、腎盂へと侵入していきます.女性が、膀胱炎や腎盂腎炎をよくおこすのは、このためです。
Q.検査方法はどのようなものがありますか?
診断は、尿検査と尿中細菌培養でつけられます。 この検査を受ける時には採尿法に注意が必要です.ではじめからの尿をコップに採ると、腟の白血球や細菌が混じり、膀胱炎と誤診され、その治療ということで、むやみに抗生物質をのまされることになります。正しい尿の採り方は中間尿といって,出始めの尿はコップに取らずに便器に流してしまい,中間の尿(厳密には尿を途中で止めたりしないで,飛び続けている尿線にさっとコップを差しだして中間の尿を採るのが理想)だけをコップに採ります.
 中間尿もしくはカテーテルで採った尿の中に、白血球が見られ、尿培養で大腸菌などの腸内細菌が生えてくれば、膀胱炎と診断されます。
Q.治療法について教えてください。
細菌性の急性膀胱炎では、水分を十分に摂取して尿量を増し、有効な抗菌剤を服用すれば、三日以内で症状はとれ,三日間の服用で再発も防げます。

木村泌尿器皮膚科
木村 明
1978年東大医学部卒
東大泌尿器科医局長・講師、 東京共済病院泌尿器科部長などを経て、2005年センター南駅前で開業
横浜市都筑区茅ヶ崎中央51-1 センター南医療ヴィレッジ
045-949-3066


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