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木村明:膀胱炎.
クリニックQ&A,冬号,p29,2005.





膀胱炎
 
膀胱炎は、大腸菌などの腸内細菌が尿道をさかのぼって膀胱で増殖して起こる病気で、尿が近くなり、トイレから帰ってきても又すぐ行きたくなったり、尿をしたあともまだ残っている感じ(残尿感)がしたり、排尿時に痛みを感じたりします。血尿が出ることもあります。
 診断は、尿検査でつけられます。顕微鏡で白血球や細菌が見えます。細菌性膀胱炎では、水分を十分に摂取して尿量を増し、抗菌剤を服用すれば、三日以内に症状はとれます。再診日に尿検査で白血球や細菌がいなくなったことを確認し、治療終了となります。
腸内細菌は,大腸・直腸に棲んでいる菌ですので,肛門やその周囲には必ずいます.女性の場合は、肛門からまず腟に細菌が棲みつき、そこから、尿道、膀胱へと侵入していきます.女性が膀胱炎をよくおこすのはこのためです。
症状がとれた段階で抗菌剤を勝手に中止すると,再発することがありますので,渡された薬は、決められた通りに内服し、再受診して尿中の白血球や細菌がいなくなったことを確認してもらうことが大事です。
細菌がいないのにやみくもに抗菌剤を呑むと、抗菌剤の効かない耐性菌が体の中に澄みつきますから、症状だけで薬局で薬を買って呑むのは好ましくありません。
特殊な膀胱炎に間質性膀胱炎があります。膀胱粘膜と筋層の間(間質)に原因不明の炎症が起こり、膀胱が縮む病気です。尿が溜まってくると膀胱が痛くなり、排尿すると楽になるという症状が特徴的です。細菌性膀胱炎と間質性膀胱炎との鑑別には顕微鏡を使った尿検査が必要です。テストテープでの尿検査しかしない医療機関で膀胱炎として治療を受けていて完治しない方はぜひ泌尿器科専門医を受診してください。