日本泌尿器科学会JUA academy

木村顔

日本泌尿器科学会が新しい専門医制度にも対応した学会員向けの総合的な教育関連サイトJUA academyを立ち上げました。

CRPCに対する治療シークエンス


新規AR標的薬を逐次的に投与するより、新規AR標的薬後にドセタキセルを投与するほうが良いが、新規AR標的薬を逐次的に投与する場合は、アビラテロンを最初に投与すべき。

アビラテロン(ザイティガ)

JUA WEBINAR第3シリーズは「進行性前立腺癌 -基礎から最新の治療まで-」。

その第2回は「CRPCに対する薬物療法」。

第1部は「CRPCに対する薬物療法の基礎知識」、第2部が「CRPCに対する治療シークエンスについて」。

新規AR(androgen receptor)標的薬(アビラテロンとエンザルタミド)が登場する前の治療は「vintageホルモン療法」と呼ぶのだそうで、

その代表が、AWS(anti-androgen withdrawal syndrome:抗アンドロゲン剤を中止してPSAが下降するか観察すること)と抗アンドロゲン剤交替療法(ビカルタミドをフルタミドに切り替える)。

CRPCの定義にAWSの確認は必要なくなったこと、

抗アンドロゲン剤交替療法後にPSAが低下した症例の予後は良好であるものの、

抗アンドロゲン剤交替療法では、新規AR標的薬ほどの効果がないこと、

アビラテロンおよびエンザルタミド間の交叉耐性が高率に起こるので、

新規AR標的薬を逐次的に投与するより、新規AR標的薬後にドセタキセルを投与するほうが良いこと、

ドセタキセルが使えなくて、新規AR標的薬を逐次的に投与する場合は、アビラテロンを最初に投与すべきこと、などを学習しました。

テストは1発合格。

しかも100点満点!

2018年5月13日


(↓木村泌尿器得意疾患のページに飛びます↓)
木村明の日記