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内科経由腎後性腎不全の5例

東京共済病院 泌尿器科

木村明,今荘智恵子

両側水腎症による腎後性腎不全は、両側尿管の閉塞もしくは尿道の閉塞によって引きおこされる。

進行癌での両側尿管浸潤による腎後性腎不全は、内科、外科、婦人科などからよく依頼されるが、2000年の1年間に、内科から紹介された腎後性腎不全のなかに、比較的稀な疾患である後腹膜線維症2例と、膀胱尿管逆流現象1例を経験したので、報告した。



前立腺肥大症でも、両側水腎症による腎後性腎不全は起こるが、患者が尿閉を訴えなければ、内科に入院することもある。内科入院後、前立腺肥大症による腎後性腎不全と判明した2例も併せて報告した。 前立腺肥大症での頻尿を、患者は尿は良く出る、出すぎて困る。と表現する人もあり、尿が出にくいと訴えない 場合にも、高齢男子では前立腺疾患の可能性を考えることが必要である。