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第10回東京共済病院集談会



PSA高値でドックから紹介された患者の前立腺針生検の適応について.

東京共済病院泌尿器科 木村明,吉田雅彦,斉藤功
PL健康管理センター  田村政紀

 平成9年1月より9月までに,当科で65例に対し延べ66回前立腺針生検を行った.このうち,PL健康管理センターでPSA高値を指摘され,当院に紹介された患者が45例であった.針生検の結果,前立腺癌と診断されたのは11人であった.同時期針生検した残り20例中10例が癌であった.PLのPSAの値が10以上の20症例では9例が癌であった.10未満の症例25例中2例が癌で,癌発見率が10%にも満たず,触診所見や超音波検査による体積計算で,症例を搾り込む必要があると思われた.この25例中,触診で前立腺の硬度増している群は9例あり,癌の2例もこの中に含まれていた.当院でのPSAの値が3.6以上の群は7例であったが,癌の1例はこの中に含まれなかった.USでの前立腺体積が30ml以下の群は9例あり,癌の2例もこの中に含まれていた.PSAを体積で割ったPSADが0.12以上の群は4例あり,癌の2例もこの中に含まれており,PSADは有効と思われた.