青山病院の透析室
私がこのブログで、まもなく閉院する
青山病院の
院長の挨拶が全然書き直されていないと書いたせいではないでしょうが、院長の挨拶が今月更新されました。それによりますと、「青山病院のあり方」に関する検討委員会で「今後共済組合は、組合員の疾病予防のための健康管理機能を重視していくべきであり、青山病院を現行通り存続していくことは困難で病院本体の廃止もやむを得ない」と答申されたそうです。
病気が起こってから治療するのにお金を使うより、病気にならないように予防することにお金を使うのが今は流行のようです。
私は青山病院では透析も担当していました。腎不全になって透析する人の半数は今は糖尿病が原因です。昔は腎不全の原因のほとんどは腎炎でしたが、今は糖尿病・高血圧などの生活習慣病が腎不全の原因です。
組合員の糖尿病・高血圧などの生活習慣病を予防したほうが、腎不全になってしまった組合員に透析療法を続けるよりコストがかからない、というのが最近の医療行政の流れのようです。
青山病院の透析室には都バスの運転手で高血圧から腎不全になった人や、職員の奥さんで糖尿病から腎不全になった人などが、週3回通院していました。
都の職員と家族が糖尿病・高血圧になるのを予防できれば、青山病院の透析室は不要です。その通りです。
糖尿病・高血圧の患者が何人いるか、その治療費にいくらかかっているか、これはデータが存在します。ですから特定健診で糖尿病・高血圧の患者の患者を5年後に10%減らす事ができれば医療費がいくら節約できるかもすぐ計算できます。
問題は、
保健指導を医療機関にアウトソーシングすることになりますが、保険者から支払われる費用(まだ価格は決まっていない?)の範囲内でちゃんと5年後に10%減らす事ができるのか、も不明な点です。透析室ではいろんなキャラの患者さんに接しました。指示された飲水制限を守らず2日間に3kg以上体重が増えてくると透析中にその3kgの水をいっきに抜かなければならず血圧が下がったり足がつったりで患者さんが大変な思いをするのですが、毎回そんな思いをしても指示を守ってくださらない患者さんがいます。血糖値が少し高いだけ・
腹囲が90cmあるだけの人に効率的な指導ができるかなど問題点いろいろですが、あと半年で体制ができるのでしょうか?
2007年10月16日の院長ブログ原稿
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