腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
初日の午前は9:40からのヘルペスウイルス感染症のシンポジウムを聞きました。
口唇ヘルペスウイルスは三叉神経節に潜んでいて、口唇に出てくると水泡などの症状を来たしますが、
実は口腔内に出てくるのがウイルスの本来の目的地で、
粘膜だと水泡は起こさず、宿主に悟られることなく、別の人間にうつしてもらえるのだそうです。
間違えて皮膚に出てくると、痛みと水泡を生じる。
この状態ではキスやセックスをしてもらえないので、別の人間に感染できない、
つまり水泡を作ってしまったウイルスは迷子になって、目的地を間違えて、
作戦命令を守れなかったウイルスなんだそうです。
あとは蚊刺過敏症の話とか、
DIHSという特殊な薬疹の話を合計2時間勉強しました。
私の写真は口唇ヘルペスウイルスとしてはウソですね。
粘膜部分の怪我ですから。
2017年2月16日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
初日の12時からはメラノーマに対する免疫チェックポイント阻害剤に関するランチョンセミナーを。
オプジーボはメラノーマという稀少がんだからこそ数名でガンが消えたという例だけで承認されたのだそうです。
第3相試験(ランダム化比較試験)を行えるほど症例数がないのです。
オプジーボ投与群での生存曲線を見せてもらいましたが、だんだん下っていきますが、3割ぐらいのところで横ばいとなります。
つまり3割ぐらいの人は治るのです。
エンザルタミドやアビラテロンが去勢抵抗性前立腺癌の生存曲線を右に数ヶ月ずらすだけで、結局みんな死んでしまうのとは違うんです。
東大分院成績ちなみにこの生存曲線は昔の私の発表からです。
著作権に気を配っているので、オプジーボの資料を拝借できません。
生存曲線を右にずらす、というイメージの説明です。
2017年2月18日
ランチョンセミナー後、別会場の脱毛症治療の教育講演へ。
すでに立ち見状態。
前の方は空いている席があるだろうと聴衆をかき分けて中へ。
空いている席にも全て荷物が置いてありました。
結局最後まで、荷物の主が現れない席もありました。
その次のプログラムのための場所取りだったのでしょうか。
立って聞いていると腰が痛くなってきましたが、聴衆をかき分けて出て行くのは大変そうなので、最後まで聴きました。
講師は脱毛症のニューリーダー。
2017年2月19日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
初日の14時からは一般演題の会場へ。
5年前の第100回日本泌尿器科学会での私の写真を撮ってくださったのは、徳島の皮膚泌尿器科院長。
2月11日の朝に、その先生からFacebook pageに、
娘が演題出してます。
僕は聞けないので、聞いてやってください。
との書き込みが。
堂々とした発表でした。
スリムなお嬢さんで、背が高いのはお父さん似なのでしょう。
発表の様子をできれば撮りたかったのですが、入り口に撮影禁止の紙がどーんと貼ってあったので撮れませんでした。
徳島の皮膚泌尿器科三代目院長(?)の報告を聞いた後も、感染症の話を聴きました。
梅毒やハンセン氏病など、勉強になりました。
梅毒では質問もしました。
2017年2月21日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
初日の16時からはスイーツセミナー。
乾癬の生物学的製剤。
17時からのイブニングセミナーも同じテーマ。
ただし、スイーツセミナーのスポンサーは抗IL17抗体(トルツ)のメーカーで、イブニングセミナーのスポンサーは抗IL23抗体(ステラーラ)のメーカーでした。
違いを公平に聴くことが出来ました。
乾癬の生物学的製剤は最初はリウマチと同じ抗TNFα抗体(レミケードやヒュミラ)でした。
その後乾癬ではTNFα→IL23→IL17という連鎖反応が起きていることが分かってきたようです。
なので今は乾癬ではリウマチ治療薬とは違う生物学的製剤が次々開発されているようです。
生物学的製剤が乾癬に使われ始めて5年経った今でも認定施設でしか治療は開始できないのですが、維持療法は逆紹介という形でクリニックでも可能なのだそうです。
2017年2月23日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
1日目の18時50分からは懇親会に参加。
一万五千円の参加費を取り戻すため。
まあ、そのために乾癬のスイーツセミナーとイブニングセミナーを聞いていたようなものですが。
懇親しないで飲み放題をまた実践して、20時前に撤収。
2017年3月1日
(写真は国際超音波医学会ランチョンセミナーのランチボックス)
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
二日目は朝8時からのモーニングセミナーから参加。
乾癬の外用薬の話。
ビタミンDとステロイドの混合薬(マーデュオックス)のメーカーがスポンサー。
私が皮膚科学会に入るときに推薦人になってくれた先生の一人。
間の取り方がうまいから、すごくわかりやすいのです。
2017年2月27日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
12日の9時からは母斑。
神奈川県のこども病院の先生なので何度も聞いたことがあります。
家族の期待を背負って生まれてきた子供にあざがある時、
そのあざは放置しても消えますよ、とか、治療しましょう、とか、
見通しを的確に示せることはすごく大事、
という言葉が、今回の講演ではすごく印象に残りました。
悪性腫瘍を鑑別することだけが医者の仕事ではないのです!
2017年3月3日
3月5日の都筑区10kmマラソン、無事完走しました。
詳しくは1週間後の日記で。
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
12日の10時からは薬剤による皮膚障害。
分子標的薬やメトトレキサートによる皮膚障害。
抗がん剤で皮膚障害が出るのは当然のこと。
しかも皮膚障害が出る人の方がガンも良くなることがわかっている。
皮膚科医が皮膚合併症を治せるかに、治療を続けられるかが、かかっている。
しかも、今は抗がん剤で長生きするので、外来で治療していることが多く、開業医も見る機会が増える。
分子標的薬の副作用について勉強していない、昔の知識だけしかない開業医がいるのも事実。
注射代が高いから外来で治療することになる、というのは分かりにくいかもしれません。
患者を入院させないで、注射薬も院外処方したことにすれば、病院の収入にはならないんです。
レセプトの平均点数が高いと儲け主義の病院と見なされ、個別指導に呼ばれるんです。
薬価差益なんてほとんどないのに迷惑な話です。
2017年3月6日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
12日の12時からのランチョンセミナーはPDE4阻害剤。
今回の学会に参加しての最大の収穫は、乾癬の新しい治療薬PDE4阻害剤オテズラを知ることができたことでした。
PDE5は陰茎の動脈や前立腺の平滑筋内でサイクリックGMPを分解します。
PDE4はリンパ球内に分布し、サイクリックAMPをAMPに分解する酵素。
PDE4阻害剤は、IL17などの炎症惹起インターロイキンを抑えるらしい。
生物学的製剤ほどは効きませんが、シクロスポリンやチガソンより安全な薬だそうで、開業医でも処方できそうです。
また、一般皮膚科に標榜を変えて、乾癬の患者も診ようかな、なんて思わせてくれる新薬でした。
2017年2月25日
2月11日・12日の連休は皮膚科学会東京支部学術大会に参加。
12日の13時からはIgE50周年記念シンポジウム。
二人目の演者は、予定していたF教授が都合がつかなくなったため、准教授が代理で発表。
質問に対する答えが、正面から受け止めず、かわしているような感じがしたのが残念でした。
質問する人もIgEの分野で研究してきた人ばかりなので、
質問に正解はないでしょうから、仕方ないのかもしれませんが、
F教授ならどう答えるのかな、と思ってしました。
F教授は、泌尿器科と皮膚科が同じ病棟だった病院でよくお見かけしたんです。
2017年3月8日