泌尿器科医・木村明の日記

木村顔

腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。

昼の勉強会2017年秋:EIGHT試験


トビエース4mg群の24時間当たりの尿失禁回数は2.9回減少したのに対し、8mg群では3.1回減少しました。

トビエース

年2回、消防訓練・医療安全講習を兼ねて全員参加で行う昼の勉強会。

昨年春に続き、今年もトビエースの勉強でした。

EIGHT試験のお話。

Evaluation of urinary urge Incontinence patients Given fesoterodine 8mg vs fesoterodine 4mg in a Head-to-head efficacy Trial.のところどころの文字を拾ってEIGHT。

言いたいことはトビエース4mgよりも8mgの方が良いです、という内容なので、EIGHT。

2重盲検を各群700人で試行して、12週経ったところで判定すると、4mg群の24時間当たりの尿失禁回数は2.9回減少したのに対し、8mg群では3.1回減少しました。

これでも有意差が出るのは700人集めたから。

日本企業では無理ですね。

という臨床試験に協力してくれる人は日本では少ない。

国民皆保険のおかげで、2重盲検試験は日本では難しいのです。

多国籍企業だからこそできる、大規模臨床試験。

FORTA分類で推奨度が高い薬がトビエース(ファイザー)とアボルブ(グラクソ・スミスクライン)だけ、というのも、多分海外の臨床試験のデータの豊富さのせいでしょう。

2017年9月16日


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