腎尿管結石・前立腺癌・肥大症の診断が得意な超音波専門医。
11月15日は勉強会がなかった水曜日。
7時半からガッテンを見ました。
ガッテンでは、HDLコレステロールでもLDLコレステロールでもない、レムナントコレステロールというのがある。
これを掃除屋のマクロファージが食べ、食べ過ぎて死んで血管を詰まらせる様子を、人形劇で説明していました。
レムナントコレステロールが高いまま放置しておくと、血管が詰まるんだ、とガッテンできる人形劇。
でも臨床研究でわかるエビデンスなんて、そんな単純な結論ではないんです。
アボルブの話に移りますが、アボルブを飲めば尿閉にならない、飲まないと尿閉になるわけではないんです。
ランダム化比較試験では、1年間に起こる尿閉がプラセボ群では4%、アボルブ投与群では2%でした。
つまり、100人にアボルブを投与すると投与されなければ尿閉になったであろう人のうち2人が尿閉にならずにすみます。
こう計算していくと、50人に投与して利益を受けるのは1人だけ、という結論を導くこともできるわけです。
データは知りませんが、たぶん悪玉コレステロールを放置した場合と薬で下げた場合の心筋梗塞の発症頻度の確率が年間数パーセント変わるだけのことなんだと思うんです。
私はLDLコレステロールが高いので、スタチンを飲んでいます。
主治医と娘の意見が一致したため、仕方なく。
私自身、エビデンスの勉強はしていません。
LDLコレステロールをこの値のまま放置したら、心筋梗塞で死亡リスクがいくらなのか知らずに飲んでいます。
トリグリセライドが150mg/dL以上
かつ/または
HDLコレステロールが40mg/dL 未満
というのがメタボ健診の基準です。
私はHDLコレステロールが高いので、メタボの基準に当てはまっていないのです。
HDLもLDLも高い私は、ガッテンが超悪玉と言っていたレムナントが低いのではないか。
だとしたら私は動脈硬化のリスクが少ないのではないか。
スタチン飲まなくてもいいのではないか。
なんて、ガッテンで言っていたことの、自分に都合のいい部分だけ吸収。
これからはコレステロールの勉強会にもできるだけ参加しよう。
2017年11月22日